Totally Human Mediaが運営するSteam向けディスカバリーサイト「We Love It」は8月20日、Steam上の約10万本のゲームを分析した「The Steam Revenue Report」を公開しました。ジャンルごとに収益の差が見られ、特にサンドボックスジャンルが継続して好調であることが分かりました。
レポートの概要と分析手法
本レポートは、Steam上に存在するゲーム約10万本を対象に、ジャンルや価格帯など多角的な視点から収益を分析したものです。総推計収益は約1298億ドル(約21兆円)に上ります。
ただし、レポート内の収益はあくまで推計値である点に注意が必要です。レビュー数から収益を推定する「Boxleiter法」が用いられており、レビュー数×係数×販売価格で算出される仕組みとなっています。係数は保守的(20倍)・標準(35倍)・楽観的(50倍)の3種類が提示されており、本稿では標準値を参照します。
分析対象からは、価格が参照できない無料ゲームや販売中止タイトル、レビュー数が0件のゲーム、DLC、アダルトゲームなどが除外されています。
ジャンル別の収益傾向
「GENRE ECONOMICS」の項では、主要30ジャンルごとに推定収益の中央値、上位10%の値、そして10万ドル(約1600万円)以上を売り上げたタイトルの割合(ヒットレート)が示されています。
もっとも目立つのはサンドボックスジャンルです。中央値・上位10%ともに高い水準にあり、ヒットレートも27.4%と他ジャンルを大きく上回っています。中央値で続くのはビジュアルノベル、シミュレーション、RPG、ホラー、ポイント&クリックの順。一方、上位10%で見るとFPSがサンドボックスに並ぶ高水準を記録しており、アクションRPG、RPG、レースがこれに続いています。
対照的に、プラットフォーマー系は全体として収益が低めのジャンルと分析されました。『ソニック』シリーズや『Celeste』といったヒット作を擁するジャンルではあるものの、全体傾向としては苦戦が見られるとのことです。
年ごとの動向とジャンルの盛衰
「WHEN EACH GENRE PEAKED」では、各ジャンルの年ごとの好不調がヒートマップで示されています。2020年以降は、市場中央値の5倍以上の収益を記録するジャンルが見られなくなっており、ジャンル間の相対的な収益差は縮まる傾向にあると読み取れます。
サンドボックスは長期にわたり好調で、2017年には市場中央値の約15倍を記録していました。またVRは、データが確認できる2016年当初は市場中央値を下回っていたものの、2020年以降は1倍以上の水準に伸びており、存在感を高めています。
一方、ローグライクは2017年前後がピークで、近年は突出した収益を上げるジャンルではなくなっているようです。FPSも2020年代前半は収益的に厳しい時期を迎えていたことがうかがえます。プラットフォーマー系については、2020年以降、市場平均よりもかなり不調な状況が続いているとのことです。
なお、各ジャンルはリリース本数が異なるため、リリースが多いジャンルほど各タイトルの収益が分散する可能性がある点にも留意が必要です。レポートには本稿で紹介した内容以外にも、価格帯別の収益分析などが掲載されています。
参照元: AUTOMATON