韓国・釜山のBEXCOで開催されているインディーゲームの祭典「Busan Indie Connect Festival 2026(BIC2026)」に、フランスのTeam Yūreiがホラーアドベンチャー『Yūrei』のデモ版を出展していることが分かりました。過去のページに戻って絵を描き直すことで物語が分岐していく、独自のシステムを持った心理ホラー作品です。
漫画の中に閉じ込められた漫画家の物語
本作の主人公は、ジュン(Jun)という漫画家です。自らが描いた漫画の世界に取り込まれてしまい、そこから脱出するには過去と向き合いながら物語を完結させるしかないという設定になっています。漫画そのものが主人公に決着を迫る存在として描かれており、ジャンルは物語主体の心理ホラーとされています。
画面は本の見開きが正面に配置され、コマの中でキャラクターが動く構造です。開発チームは2Dの漫画的なビジュアルと3Dのゲームプレイを両立させることを最初の目標に据えたとしており、コマの中に立った主人公は奥にも手前にも移動できるようになっています。ページによっては絵が完全に消え、白い線だけで描かれた空間を歩く区画も用意されているとのことです。
ページをめくって描き直すことで変化する物語
本作のもう一つの軸が、「ナビゲーションモード」と呼ばれる状態への切り替えです。ゲームパッドではY、キーボードではFで移行し、ページを左右にめくって漫画を読み返すことができます。ページを戻ると、まだ描かれていない空白の見開きや、線だけの下描きが現れます。
これらの下描きにインクを流し込むと絵が確定し、通れなかった道が開通する仕組みです。インクは探索で見つけた湧き出す場所から吸い取り、下描きまで運んで流し込むという流れで、これがパズルの基本となっています。
描き直しの影響はそのページだけにとどまらず、前のページに手を入れると先のページで起きる出来事も変化します。実演では、同じ地点から左へ進んだ場合と、ページを戻して描き直してから進んだ場合とで到達地点が異なっていたとのことです。主人公が死亡した際も過去のページに戻って描き直すことができるため、この仕組みがそのままやり直しの手段として機能しています。
学生10人による卒業制作、資金調達を模索中
会場で出展されていたのは、作品全体のうち短い区切りを完成形と同じ密度で作り込んだ「バーティカルスライス」と呼ばれるビルドです。制作しているのは、フランス・アングレームにあるゲーム開発の高等教育機関Cnam-Enjminに通う修士2年の学生10名で、学校の卒業制作として立ち上がった企画とのことです。
チームは本作を完成まで持っていきたい意向を示していますが、卒業制作から先へ進めるための資金は現時点で確保できていません。BIC2026への出展目的の一つが出資者を探すことだったとしています。想定しているプレイ時間は1〜2時間で、資金が確保できてから完成までは半年から1年程度を見込んでいるとのことです。
日本語版の計画は現時点ではないものの、フランス語・英語・日本語での展開を望んでいるとのことです。なお、PC向けの体験版がitch.ioにて無料で公開されています。
参照元: 4Gamer.net