韓国・釜山で開催されたインディーゲームイベント「Busan Indie Connect Festival 2026」(BIC 2026)に、The (Other)World Labの新作PCゲーム『The (Other)World Syndrome』が出展されました。現実に居場所を見出せない主人公が、本の中の人物になりきって異世界を旅する謎解きアドベンチャーです。2027年上半期にアーリーアクセス、下半期に正式リリースが予定されており、日本語にも対応する見込みとのことです。
現実と異世界を往復する物語構造
本作はプレイ開始時に、自殺や自傷行為、うつ病といった精神的苦痛を伴う表現が含まれることを告知する警告画面が表示されます。ゲームの軸となるのは謎解きで、ミステリアスな空間に散らばった資料を読み込み、紙に書かれた問題の答えを導き出していく本格的な作りです。序盤には数字の並びから「今日の日付」を割り出す問題などが登場し、行き詰まった際のヒントも用意されているとのことです。
物語の舞台となるのは、天井まで届く本棚に囲まれた「異世界図書館」です。棚に並ぶ本は1冊が1つの異世界に相当し、開くとその物語の登場人物としてしばらく過ごすことになります。最初に開く本では、非の打ちどころのない公爵アドリアンとして町で歓待を受けますが、現実の姿で同じ異世界に立つと令嬢たちの態度は一変し、「見た目も能力も平凡な人間に、何を期待しろというの?」と突き放されるという構造になっています。
現実世界のパートでは、順調な人生を歩む高校時代の友人からマウントを取られるなど、主人公のメンタルが削られる描写が挟まれます。「しあわせゲージ」が尽きると再び異世界図書館へ向かうという、現実と異世界を往復する構成が特徴です。
開発チームと今後の展開
開発を手がけるThe (Other)World Labは、「異世界」をテーマにしたゲームジャムで出会った大学生6人によるチームで、本作が第1作となります。ディレクターのLee ChaeWon氏によれば、タイトルは韓国語で発音が同じ「異世界」と「この世界」を掛けたもので、当初は「異世界症候群」と読める表記だったものを、展示会での意見を受けて現在の表記に変更したとのことです。
こだわった要素として、最初の異世界に登場する花を売って歩くNPCが挙げられています。「みんなが待っているのは、一番遅く咲く花なんだよ」という花商人の言葉に、作品全体を通して伝えたいメッセージが込められているそうです。
開発期間は通算1年半で、途中で半年分を作り直しており、現在のビルドは10か月ほどの制作物だといいます。完成度については「10のうち3」との認識で、異世界は全部で4つ、エンディングも複数用意される予定です。謎解きの設計段階から海外向けローカライズを前提としており、ナンバープレートを用いた問題なども外国のプレイヤーが解けるよう配慮されているとのことです。
参照元: 4Gamer.net