電ファミニコゲーマーは2024年、ドイツ・ケルンで開催中のゲームイベント「gamescom」にて、アクションゲーム『ステューピッド・ネバー・ダイズ(Stupid Never Dies)』のディレクターを務める佐々木栄一郎氏と、アートディレクターの田中現績氏へのインタビューを実施したことを報じました。本作の独特な世界観やアートワークの制作背景が語られています。
「バカでいこう」という方針から生まれた世界観
『ステューピッド・ネバー・ダイズ』は、戦争によって人口の98%が死滅した終末世界を舞台とするアクションゲームです。主人公のゾンビ「デイビィくん」が、凍死した女性の遺体に恋をし、彼女を蘇生させるためダンジョンへ潜っていくという設定になっています。
インタビューによると、本作の世界観を構築する上でチームが強く意識したのは、他のゲームとの差別化だったとのことです。佐々木氏は「他のゲームがスタイリッシュだったりクールだったりするなかで、僕らは(バカな)表現をすると唯一無二のものができるだろう」と考え、タイトルの「Stupid=バカ」という言葉に沿って「バカでいこう」という方針にまとまったと説明しています。
ゾンビというモチーフは本来ホラー要素を持つものですが、本作ではホラー的な要素を意図的にそぎ落としているとのことです。一方で「腕がもげても足が取れても死なない」「何でも食べる」といったゾンビらしい要素は、ゲームシステムの一部として活用されていると語られました。
3レイヤー構成のアートワークとパンクロックからの影響
本作の画面表現について、佐々木氏はレイヤーという考え方で整理していると解説しました。ベースとなる3Dの世界、その上に重なる主人公の個人的なアイテムを表す「ハット」と呼ばれる2D表示物、そして敵をラクガキ風に描いた「デイビィくんから見た世界」という3つのレイヤーで画面が構成されているとのことです。
2Dのコラージュ表現については、佐々木氏が愛好するパンクロックのCDジャケットに用いられるコラージュ技法が着想源になっていると明かされました。田中氏は「最弱のやつが、いかに自分の世界を出しつつ戦っていくか」という反骨的なテーマを、アートで一貫的にまとめたと述べています。
ただしアクションゲームである以上、視認性への配慮も欠かせず、「アクションを邪魔にするようなものはNG」という基準を明確に設定していたとのことです。戦闘中は情報量を抑え、ダンジョンへの降下シーンなど操作を必要としない場面では思い切った演出を入れる、というメリハリを付けているといいます。
「プレイするたびに新しい最強に出会う」戦闘システム
ゲームシステム面では、敵を食べることで戦い方が変化する「スタイルイート」機能により、主人公を含む11種類のスタイルが用意されています。佐々木氏によると、各スタイルはあえて極端な調整が施されており、単体では扱いづらいものの、組み合わせることで強力なシナジーが生まれる設計になっているとのことです。
また、ホームでの永続的な成長要素と、ダンジョン内でランダムに発生するその場限りの成長要素を組み合わせることで、繰り返しプレイの面白さを生み出しているとも語られました。
参照元: 電ファミニコゲーマー