『SILENT HILL: Townfall』開発者インタビュー 社会派へと舵を切った新機軸を語る

『SILENT HILL: Townfall』開発者インタビュー 社会派へと舵を切った新機軸を語る

ドイツ・ケルンで開催中のゲームイベント「gamescom 2026」にて、9月24日発売予定の『SILENT HILL: Townfall』の試遊が実施されています。会場ではメディア向けの開発者インタビューも行われ、シリーズプロデューサーの岡本基氏と、開発を手掛けるScreen Burnのライター兼ディレクターであるジョン・マケラン氏が本作の狙いについて語りました。

シリーズ初の一人称視点と「CRTV」

『SILENT HILL: Townfall』は、長編シリーズとして初めて一人称視点を採用したタイトルとなります。シリーズの象徴的なアイテムであった「ラジオ」に代わり、本作ではポケットテレビ型のガジェット「CRTV」が登場。劣化した映像やノイズを通じて恐怖を演出する装置として機能し、プレイヤーはそこに映し出される映像の謎を解きながら物語を進めていくとのことです。

マケラン氏によれば、CRTVに表示される映像はシェーダー処理ではなく、実際にケーブルを傷つけたり磁石を近づけたりといった物理的な加工によって質感やノイズを引き出しているといいます。同氏はこの手法について「楽器を調律し演奏するような感覚」と表現しました。

「社会派のサイレントヒル」という新機軸

岡本氏は本作における「尖り」として、「社会派の『サイレントヒル』」であることを挙げています。過去のシリーズ作品は個人や家族といったミクロなスケールのテーマで描かれることが主流でしたが、本作では社会的な文脈を取り入れたストーリーを展開し、群像劇的な奥行きを持つ物語になっているとのことです。

「個人が抱える罪悪感や葛藤は、自分自身の行動や決断によって生じる側面もあれば、社会や企業といった大きな集団からの影響によって引き起こされる場合も少なくない」と岡本氏は語り、個人と集団が交錯する関係性を本作に落とし込んでいると説明しました。

マケラン氏は、主人公のサイモンは内向的で自省的な人物であり、自身の決断が自分自身にもたらす変化だけでなく、周囲や広い世界にどう波及していくかまで含めた多層的な要素が絡み合う物語構成になっていると述べています。

Screen Burn起用の経緯

開発元にScreen Burnが選ばれた経緯について、岡本氏はパブリッシャーであるAnnapurna Interactiveと自社USチームとの対話の中で提案を受けたことがきっかけだったと明かしています。同社の過去作『Stories Untold』や『Observation』をプレイした際に感じた、ナラティブと紐づいたパズルデザインの完成度、そしてストーリーテリングにおける「曖昧さの美学」が『サイレントヒル』に必要な要素だと判断し、開発を依頼するに至ったとのことです。

マケラン氏は自身の演出手法について、ノスタルジックな要素でプレイヤーの警戒心を解いたうえで恐怖を仕込む「釣り針」のようなアプローチだと解説しています。ゲームプレイにおいてはステルス性が重視されているほか、スコットランドの実在の街を舞台に設定するなど、複数の新しい試みが盛り込まれているとのことです。

参照元: 電ファミニコゲーマー