メキシコの連邦議員であるIraís Reyes氏が、Luis Donaldo Colosio上院議員と連携し、メキシコ連邦競争委員会(COFECE)に対してソニーを相手取った申し立てを行ったことが、複数のメディアによって報じられました。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が進めるPlayStation向け新作ゲームのディスク生産終了方針をめぐる動きです。
訴えの内容
両議員がソニーへの訴えを準備していることが明らかになったのは7月中旬のことで、今回、正式な申し立てが行われた形となります。
独立系ゲームメディア「RespawnFirst」によれば、Reyes氏が問題視しているのは、パッケージ版ゲームの販売がなくなることによって、メキシコ国内では「ソニーのデジタルストアが唯一の販売チャネルとなり、価格と販売条件をソニーが独占的に決定する状況が生まれる」という点です。加えて、デジタル販売のみとなった場合、ユーザーによる転売・貸し出し・交換ができなくなり、中古ゲーム市場が事実上消滅することで、低所得層が安価にゲームを入手する機会が失われるとの懸念も示されています。
議員側の主張
訴状提出時の記者会見でColosio氏は、「プレイヤーはゲームを購入するためにお金を払っているが、真の意味で所有することなく、単なる借主程度の権利しか得られない」と述べたうえで、「テクノロジーは私たちの権利を制限するのではなく、自由を拡大するために役立つべき」とコメントしました。デジタル資産は安心して所有できるものではないという立場を強調した形です。
また、メキシコでは高速インターネットや安定した接続環境が十分に普及しておらず、容量が100GBを超えるようなタイトルではダウンロード販売のみの形態が大きな障害となることも、7月時点からの主張として改めて示されました。
ソニー側の見解
ソニーグループCFOの陶琳(Lin Tao)氏は、7月31日に行われた決算説明会の質疑応答において、ディスク生産終了について「PlayStationだけではなく、もろもろのコンテンツのデジタル化が進んでいるなかで、非常に時間をかけて慎重に検討を重ねたうえで出した結論」と説明しました。拙速な判断ではないとしつつ、反対署名や消費者団体からの批判に対しては「気持ちをしっかり受け止める」と述べています。
参照元: インサイド