『EVE Online』の開発・運営元として知られるCCP Gamesが、韓国のパールアビス傘下からの独立と「Fenris Creations」へのリブランディングを発表しました。同時にGoogle DeepMindとのAI研究パートナーシップ、およびGoogleによる少数株式投資も明らかにされています。Game*Sparkが同社CEOのヒルマー・ヴェイガル・ペトゥルセン氏にインタビューを実施しました。
MBOによる独立とDeepMindとの提携
インタビューによると、独立はマネジメント・バイアウト(MBO)の形で実施され、Googleおよびアイスランドの投資家の支援を受けたとのことです。ペトゥルセン氏はCCPが2018年にパールアビスとパートナーシップを結んで以降、将来的な共同開発を構想していたものの、パールアビス側は『紅の砂漠』の開発、CCP側は『EVE Online』や『EVE Vanguard』の運営・開発でそれぞれ多忙となり、当初想定した統合の目的を追求できていなかったと説明しています。
ペトゥルセン氏自身から昨年MBOを提案し、同時期に進めていたGoogle DeepMindとの研究パートナーシップの話と重なる形で、今回の発表に至ったとしています。パールアビスとは「友人として別れた」と表現し、現在も交流があることを明かしました。
社名「Fenris」の由来
新社名の「Fenris」は、北欧神話に登場し終末「ラグナロク」で太陽を飲み込むとされる狼フェンリル(フェンリス)に由来します。アイスランド出身のペトゥルセン氏は、フェンリスを星座や熱力学第二法則(エントロピー)の象徴として捉えていると語り、「美しいものを築き上げ、そして破壊する」という『EVE』シリーズの本質と重ね合わせています。
また、コミュニティ内で長年ミーム化している「EVE is dying(EVEは死につつある)」というフレーズに触れ、「EVEは死につつある。我々も死につつある。この死にゆく過程――我々はそれを『生きる』と呼ぶ――の中でこそ、我々は互いに出会うのだ」と応じています。『EVE Online』のゲームデザインドキュメントの冒頭には「Death is a serious matter(死は重大な問題である)」と記されており、この死生観がゲームデザインの根幹にあると述べました。
プレイヤーへの影響と日本市場への再注力
ペトゥルセン氏は、独立から数週間の時点で目に見える変化は「メールアドレスとロゴくらい」とし、拡張は従来通り半年ごとにリリースを継続すると説明しています。2026年6月に配信された「Cradle of War」を第1章とする3拡張構成のストーリーアークが進行中で、11月に次章、翌年6月にさらに続く章の配信が予定されているとのことです。
また、日本市場については「再びフォーカスを強めている」と明言。ローカライズ品質、翻訳、カスタマーサポート体験などに関する日本プレイヤーからのフィードバックを積極的に収集しており、今後数か月のうちに施策の変化を感じられる可能性があるとしています。
参照元: Game*Spark