2026年8月に開催されたゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2026」にて、Nintendo Switch 2用ソフト『ドンキーコング バナンザ』に関するセッション「破壊の連鎖でつながるゲームサイクル」が実施されました。登壇したのは、本作のディレクターを務める任天堂の高橋和也氏と田中航氏。作品の核となる“破壊の連鎖”をどのように設計したかが語られています。
「すべてを破壊できる3Dアクション」を支える連鎖の仕組み
『ドンキーコング バナンザ』は、地形や配置物、キャラクターに至るまであらゆる対象を破壊できる3Dアクションゲームとして開発されました。ドンキーコングの力強いアクションと、ボクセル技術による応答性の高い表現を掛け合わせることで、「すべてを破壊できる」というコンセプトが確立されたとのことです。
開発の過程で、破壊を単発で終わらせるのではなく、「破壊することで報酬が生まれ、それが次の破壊につながる」という連鎖こそが遊びの核心であることが判明。田中氏はこの連鎖を生む仕組みを、アクションゲームを構成する5つの要素すべてに組み込んだと説明しました。
5つの要素に仕込まれた設計
1つ目の「プレイヤーキャラクター」では、直感的なパンチアクションに加え、地形からはぎ取った破片を活用する遠近両用の攻撃、2段ジャンプ、スケボー移動などを実装。破片を消費すると再度破壊する動機が生まれるサイクルが構築されています。
2つ目の「カメラ」では、地中を掘り進む際の視界の狭さを解消する「地中カメラ」を導入。周囲の空洞をぼかし表現で示し、次の破壊対象へと自然に誘導する設計が採用されました。この地中カメラから、フィールド全体が地中に埋まった「投棄場の階層」という新たな遊びも生まれたとのことです。
3つ目の「配置物」では、敵キャラクター「クロコイド」や味方キャラクター「ワレルヤの民」までもボクセル素材で構成。素材の硬さや性質によって破壊の難易度や活用法に差を持たせています。氷の身体を持つワレルヤで溶岩地形を越えるといった応用や、塩のような再生しない素材でのリソース管理といった遊びが例として挙げられました。
4つ目の「コレクションアイテム」については、アクション「ハンドスラップ」に地中のアイテムを可視化するソナー効果を付与。プレイヤーが自発的に次の破壊へ向かうよう促す役割を担っています。
5つ目の「バナンザ変身」は、破壊で得られる「ゴールド」でゲージを満たすと発動可能となり、通常では壊せない対象を破壊できる仕組み。当初は制限時間のみを制約としていたものの、破壊が散漫になる課題があったため、変身中はソナー効果を常時発動させ、目的のある破壊へ導く改良が加えられたとのことです。
セッションはタイムシフト視聴に対応
セッション後半では、高橋氏が階層ごとのフィールドマップ設計や、プレイヤーが飽きずに破壊を楽しみ続けられるようにするための工夫についても解説しました。当該セッションはタイムシフト視聴での確認が可能となっています。
参照元: 電ファミニコゲーマー