ダンジョンRPGの始祖として知られる『ウィザードリィ(Wizardry)』シリーズが、2026年9月に誕生45周年を迎えます。これに先立ち、1981年に故アンドリュー・グリーンバーグ氏とともに初代『ウィザードリィ』を生み出したプログラマー、ロバート・ウッドヘッド氏が、別件で来日中にGame*Sparkのインタビューに応じたことが分かりました。インタビューは、シリーズ最新作『ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ』を手掛けるドリコムの社内で実施されたとのことです。
現在はロボコン部のメンターとして活動
ウッドヘッド氏は、かつて自身が手掛けていたアニメ配給会社AnimEigoを同じ哲学を持つ新チームに引き継いだ後、現在は高校生のロボコン・クラブでメンターとして活動していることを明らかにしました。プログラミングよりもメカニカルエンジニアリング寄りの内容に取り組むことが多いといい、生徒たちに部品設計や製造方法の方向性を示す役割を担っているとのことです。
生成AIについては「相反する複数の意見を持っている」と前置きしたうえで、自身も日々ブレインストーミングやプロトタイピングに活用していると述べました。一方で、シニアソフトウェアエンジニアである次男の業務時間の多くがAIの出力レビューに費やされている現状にも触れ、社会が適応する前にAIによる偽情報などの問題が拡大する懸念を示しています。
最新作『ヴァリアンツ ダフネ』への評価
ウッドヘッド氏はサービス開始後に『ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ』を実際にプレイしたことを明かし、開発チームがオリジナル作品の雰囲気を的確に捉えていると評価しました。当時は技術的に不可能だった要素を積み重ねつつ、原典のリスクとリワードの葛藤がしっかりと再現されているとし、「もし自分が現代に『ウィザードリィ』を作るなら、おそらくこのような形になるだろう」とコメントしています。
また、Redditなどで海外ファンが新キャラクターのパラメータについて熱心に議論している状況を引き合いに、日本と海外でファン人口に差はあっても情熱の強さはほぼ同じだとの見方を示しました。北米では2024年の『#1』リメイク版を機に再びシリーズへの関心が高まっているとも語っています。
アニメ「ブレイド&バスタード」とシリーズの未来
アニメ化が控えている「ブレイド&バスタード」については、原作を「面白いストーリーで、オリジナルの『ウィザードリィ』のメカニクスにつながる部分も好き」と評価。アニメ版では戦闘シーンの演出に期待しているとし、「アクションシーンは10段階中11まで振り切ってほしい」と述べました。
シリーズの将来像について問われると、ウッドヘッド氏はかつて存在した『ウィザードリィ オンライン』に触れつつ、MMOをもう一度見てみたいとの希望を語りました。仮に新作開発のオファーが来た場合の関わり方については、メンターという形が理想と述べ、最終的な判断と責任は現役の作り手が持つべきだとの考えを示しています。
また、シリーズの後継作品を手掛けてきた制作者たちについて「ただひとつだけ気にかけているのは、彼らがそれを楽しんでやっているかどうか」と語り、新世代のクリエイターへの信頼を強調しました。最後には、5年後の50周年、さらに75周年まで元気でいたいとの言葉でインタビューを締めくくっています。
参照元: Game*Spark