PCゲームプラットフォーム「Steam」を運営するValveを巡る独占禁止法違反訴訟において、同社が他のストアでのゲーム販売価格に関してデベロッパーやパブリッシャーに圧力をかけていた可能性を示す資料や証言が開示されたと、Bloombergが報じています。
訴訟の経緯
本件は2021年4月、デベロッパーのWolfire Gamesらが米国ワシントン州西部地区連邦地方裁判所に提起した訴訟が発端とされています。原告側は、Valveが最大30%の手数料をSteamでの販売に課したうえで、他ストアでより安く販売することを禁じる「価格パリティ」のポリシーを有しており、シャーマン法に違反していると主張しているとのことです。
その後、Dark Catt Studiosによる類似訴訟と統合され、2024年11月には約3万2000のデベロッパーやパブリッシャーを束ねた集団訴訟として進めることが連邦地裁により認可されたと報じられています。
Gabe Newell氏の証言と開示された資料
Bloombergによれば、2023年11月に実施されたValve共同創設者Gabe Newell氏への証言録取において、同氏は他プラットフォームでのサードパーティ製ソフトの価格をデベロッパーに指示するポリシーや慣習はないと回答し、原告側の指摘を否定したとのことです。一方、競合ストアでデベロッパーがゲーム価格を低く設定した場合の対応について問われた際には、言葉を濁したと伝えられています。
具体例として挙げられた事案
報道では、Valveの証言と矛盾する可能性のある事例も紹介されています。Ubisoftが自社ストアであるUplay(現Ubisoft Connect)限定で『レインボーシックス シージ』を含む15ドルの「starter pack」をマーケティングしていた件について、Valveの従業員が同タイトルの全エディションをSteamから翌日の終業までに削除すると示唆するメールを送信していたとされています。
また、Warner Bros. Gamesが2017年に発売した『シャドウ・オブ・ウォー(Middle-earth: Shadow of War)』についても、予約注文段階でSteamでの販売価格が他小売店より大幅に高かったため、Valveの事業開発担当Kassidy Gerber氏がWB Games幹部に対し、Steam上での予約注文を削除した旨を連絡していたと報じられています。
なおGerber氏は証言録取において、ストア間で価格の均等を義務付けるポリシーの存在を否定しているとのことです。
今後の見通し
本訴訟については、今年3月にValveが陪審前の解決を申し立てたものの、裁判所により却下されたと報じられています。開示された証言や資料の真偽が精査されるなか、裁判所の判断が注目されます。
参照元: AUTOMATON