Game*Sparkにて、ゲーム保存協会協力のもとで連載されている「ゲームのおいたち・ゲームのあゆみ」の最新回が公開されました。今回のテーマは、国産RPG黎明期に登場した『ドラゴンスレイヤー』と『ドラゴンクエスト』という、ふたつの「竜退治」をモチーフにしたタイトルです。
「竜退治」という共通モチーフ
『ドラゴンスレイヤー』は1984年に日本ファルコムからリリースされたRPG。一方の『ドラゴンクエスト』は、その2年後の1986年にエニックス(現:スクウェア・エニックス)から発売されました。両者はいずれも「竜退治」を想起させるタイトルが共通しており、聖ゲオルギウス伝説に代表される古典的なモチーフを下敷きにしているとされています。
記事では、J・R・R・トールキンの『指輪物語』やテーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(1974年)、コンピュータRPG『Ultima』『Wizardry』(いずれも1981年)といった西洋ファンタジー作品の流れが日本に流入し、国産RPGが生まれる土壌に「ドラゴン」と「RPG」を結びつけるイメージを醸成したと解説されています。
対照的なゲーム内容とシリーズ展開
『ドラゴンクエスト』は、見下ろし型のフィールドマップとコマンド選択式戦闘を組み合わせ、『Ultima』と『Wizardry』の要素を融合させた作品として知られています。同様の形式としては、前年の1984年にクリスタルソフトから『夢幻の心臓』も発売されており、必ずしも『ドラクエ』がオリジネーターではないと記事は指摘しています。
対する『ドラゴンスレイヤー』は、迷宮の奥に潜む「三ツ首ドラゴン」を倒し、奪われた4つの王冠を持ち帰ることが目的のリアルタイム制RPG。パッケージには「A new type real time role-playing game」と銘打たれており、現代の区分ではアクションRPGに近い内容となっています。アイテム回収のたびに「家」に戻って強化を行うサイクルや、壁を動かして攻略ルートを変えるパズル性の高さが特徴として紹介されています。
シリーズ展開も対照的です。『ドラゴンクエスト』はナンバリングを軸に、システム面の変更を段階的に留めて家庭用ゲーム機市場を中心に展開してきました。一方の『ドラゴンスレイヤー』は、続編が『ザナドゥ』、3作目が『ロマンシア』と毎回タイトルとシステムを大きく刷新する形をとり、長らく国産PC市場をメインフィールドとしてきました。記事では、生みの親である木屋善夫氏のインタビュー発言として、「新しいプロジェクトのたびに毎回違うことに挑戦したかった」という言葉も紹介されています。
今後の展開
2026年3月には、日本ファルコム45周年を記念した「ドラゴンスレイヤー・プロジェクト」が始動。5月2日に開催された「軌跡」シリーズファンミーティングでコンセプトアートが初公開され、「ドラゴン」「家」「家族」を軸としたコンシューマ向け企画になると報じられています。
また、『ドラゴンクエスト』も2026年にリリースから40周年を迎えます。最新作『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』に関する新情報も、シリーズファンから引き続き注目を集めている状況です。
参照元: Game*Spark