サイバーエージェントSGE、統合型レンダリングシステム『Sirius』を開発中。Houdini活用など詳細を公開

サイバーエージェントSGE、統合型レンダリングシステム『Sirius』を開発中。Houdini活用など詳細を公開

サイバーエージェント ゲーム・エンターテイメント事業部(SGE)が、Unityをベースとした統合型レンダリングシステム「Sirius」を開発中であることが分かりました。ゲームメディアAUTOMATONによるインタビュー記事にて、開発の詳細が語られています。

各社の描画基盤を統合する「Sirius」

Siriusは、SGEのグループ横断組織である「SGEコア技術本部(コアテク)」が開発を進めている描画基盤です。これまで各子会社が個別に構築していたシェーダーやレンダリングパイプラインを統合し、開発効率を高めることを目的としているとのことです。

ゲームエンジンにはUnityを採用しつつ、その上にSiriusを乗せることで拡張を図る仕組みとなっています。同社が得意とするアニメ調(スタイライズド)表現を発展させる狙いに加え、単なる開発効率化にとどまらず、数年先に求められるグラフィック品質を見据えたR&D(研究開発)の役割も担うようになったと説明されています。

コアテク グラフィックチームでリーダーを務める清原隆行氏によると、キャラクターのスタイライズドレンダリングはプロダクトごとに個別対応する一方、環境表現(エンバイロメント)についてはR&D色の強い開発を進めているとのことです。

環境表現とオープンワールド規模への対応

Siriusには現時点で、植物や風の表現、ボリューメトリッククラウドを含む空の表現などが実装済みで、水面の表現は現在開発中とされています。

さらに、リアルタイムの天候変化や時間変化にも対応。昼夜サイクルや晴れ・雨・曇りといった天候について、断片的な切り替えと連続的なシフトのどちらにも対応できる汎用性の高い実装を目指しているとしています。これらはオープンワールド系ゲームで採用されている手法をベースにしており、モバイル向けであってもUnreal Engine 5で開発されるタイトルに対抗できる水準を意識しているとのことです。

Houdiniの活用とVATへの取り組み

SGEコアテクでは、3DCGソフトウェア「Houdini」の導入・整備も推進しています。大規模開発におけるアセットの物量問題に対応するため、プロシージャル生成に強みを持つHoudiniの活用が有効と判断されたとのことです。

導入にあたっては、無料ツール「Houdini Engine for Unity」を活用。テクニカルアーティスト以外のスタッフでもプロシージャル技術を用いたアセット生成が可能になる仕組みを整えていると説明されています。社内では大規模な破壊表現やレベルデザイン用途などで使用されているとのことです。

また、CPUで再生する3DCGアニメーションデータをテクスチャとして保存しGPUで読み込む仕組みであるVAT(Vertex Animation Texture)の整備にも注力。SGEコア技術本部は、これらの取り組みについて2026年7月開催のCEDEC 2026にて講演を予定しているとのことです。

Sirius自体はまだリリース済みタイトルには採用されていないものの、開発中のプロダクトへの導入が始まっているとされています。

参照元: AUTOMATON