『SILENT HILL』シリーズ復活の裏側、CEDEC2026でプロデュース戦略が公開

· 過去ニュース

コナミデジタルエンタテインメントが、CEDEC2026の講演「SILENT HILLのプロデュース術 「推し」の時代に推されるゲームをめざすには?」にて、『SILENT HILL』シリーズ復活の背景にある戦略を公開しました。登壇したのは統括プロデューサーの岡本基氏、アシスタントプロデューサーの松尾泰樹氏、プランナーの杉本絢音氏の3名です。

ゼロから再始動したチームと海外スタジオとの協業

『SILENT HILL』シリーズは2013年以降、約10年にわたり新作リリースが途絶えていました。岡本氏は2019年からIP再始動に着手しましたが、現在のチームには過去のシリーズ経験者が在籍しておらず、メンバーの半数以上が20代という新規事業に近い体制でスタートしたことが明かされています。

特徴的なのは、開発パートナーのほぼすべてが海外スタジオである点です。『SILENT HILL f』を台湾のNeoBards Entertainmentが、『SILENT HILL 2』リメイクをポーランドのBloober Teamが担当。さらに新作『SILENT HILL: Townfall』にはアメリカのAnnapurna InteractiveとスコットランドのScreen Burnが参加しています。

社内チームの8割が英語を話せない中での協業について、岡本氏は「一番大事なのは言語ではなく、ゲームがちゃんと作れるかどうか」と述べ、通訳や機械翻訳を活用しつつ、開発力を基準にパートナーを選定したと説明しました。

リメイクと新作の同時発表という戦略

シリーズ復活にあたっては、世界5カ国でのユーザー調査を実施し、シリーズの定義を社内で「バイブル」として文書化。サイコロジカルホラーとして完成度の高い『SILENT HILL 2』からリメイクに着手したとのことです。

また、リメイク単独ではなく複数タイトルを同時発表した理由について、岡本氏は「様子見のリメイクと見られてしまうと本気度が生煮えに見えてしまう」ためだと語っています。企業側の本気度を示すことがユーザーの信頼回復につながるという判断がありました。

松尾氏はBloober Teamとの協業を例に、海外スタジオでは早期にGDDでコア要素を固め、バーティカルスライスを通じて初期段階からクオリティラインを合意する手法が徹底されていたと説明。アクセシビリティ対応(ハイコントラストモードやディスレクシック向けフォント)も新たな知見になったといいます。一方で初回マスター提出基準の認識違いによるトラブルもあり、以降のタイトルに反省点として引き継がれているとのことです。

『SILENT HILL f』での再定義とファンダム形成

『SILENT HILL f』では、「SILENT HILL」を街の名前ではなく“現象”として再定義。舞台に日本を選び、シナリオに竜騎士07氏を起用しました。コンセプトは「結婚をホラーとして描く」ことで、従来のウォーキングホラー路線に対しアクション性を強めた設計となっています。

開発では、国内チューニング企業によるテストプレイ、北米での初心者モニター、さらに外部コンサル企業によるメタスコアの模擬レビューなど、複数のテストを組み合わせて検証を行ったとのことです。岡本氏は「プロデューサーの思い込みだけで最後まで走らないことが大事」だと強調しました。

プロモーション面では「批評から考察へ」というトレンドを踏まえ、トレーラーを段階的に公開し、周回プレイで真相が見えてくる構造を採用。発売後には数十本規模の考察コンテンツが生まれたといいます。ファンアートの投稿や誕生日イラストの公開など、ファンダムへの継続的な取り組みも紹介されました。

参照元: インサイド

出典:インサイド

過去ニュース一覧へ

Game data and images: IGDB